全国交流集会報告
石橋 聡一
9月5日、6日に、山口で開かれた夜間中学増設運動全国交流集会にスタッフ、学習者の方々とともに参加してきました。この集会は全国の夜間中学関係者が集まり、現状や課題、今後の取り組みについて意見交換を行う場です。私は今回、交通費も支給していただけるとのことに加え、山口が母の出身地でもあったため、墓まいりも兼ねて、事務局の方に勧められるまま軽い気持ちでこの集会に臨むことにいたしました。
しかし実際に集会が始まると夜間中学をめぐる様々な課題について熱い議論が繰り広げられ、全国から集まった多くの参加者が、我こそはという勢いで、マイクを離さないで夜間中学に関して多くを語り、時間が全く足りないという状態でした。参加者の方々の夜間中学に対する熱意とその強い思いに圧倒されました。軽い気持ちで参加していた自分が恥ずかしくなるほどでした。
そこで多く語られていたことが、全国各地において自主夜間中学が相ついで開校されていることや生徒数の増加、国勢調査の結果等から夜間中学のニーズがあるのは明らかであるにもかかわらず、やはり行政や教育委員会の理解を得ることができないという問題でした。議論では、我々自主夜間中学のスタッフが生徒と真摯に向き合うことで受け止めた生徒の思いを、行政や教育委員会に根気づよく訴え続けていくことが解決のカギになるのではないか、それができるのは我々自主夜間中学のスタッフのみなのだからという意見に多くの賛同が集まっていました。
全国各地の自主夜間中学の取り組みの発表の中で、印象に残ったことは欠席した生徒さんにメッセージを送るという取り組みをしている学校があるということでした。私自身も生徒さんと接する中で、定期的に来てくださる生徒さんも多い中、仕事などの関係でなかなか続けて登校し学び続けることが難しい生徒さんもいらっしゃいます。メッセージを送ることで、いろいろな事情から学習を断念せざるを得ない状況を少しでも解消することができるのではないかと考えました。我々の自主夜間中学でもこの取り組みは取り入れていいのではないかと考えました。
私は、自主夜間中学にスタッフとして参加しておりますが、正直なところ「楽しいから」という気持ちでかかわるだけで、夜間中学そのものに関する課題を考えたことはありませんでした。しかし今回この夜間中学全国交流集会に参加することで、夜間中学の課題と可能性を多面的に学ぶことができました。今回参加したことにより、全国の自主夜間中学に関わる方々から受けた良い刺激をちば自主夜間中学に還元できればと考えております。