【本の紹介(ほんの しょうかい)】『「銀河鉄道の夜」フィールド・ノート(「ぎんがてつどう の よる」ふぃーるど・のーと)』『新しい太陽の書(あたらしい たいよう の しょ)』
「ちば自主夜間中学」は休校中ですが、授業代わりにオススメ本を紹介します。
《おすすめしてる人のペンネーム》、※編者の注です。
『銀河鉄道の夜』フィールド・ノート 寺門和夫/著 青土社 2013年
《こうやひじり》
~宮沢賢治の心象風景の原風景~
本書は宮沢賢治著『銀河鉄道の夜』のガイドブックである。『銀河鉄道の夜』は「賢治」の死の晩年まで4回ほど加筆修正された遺作である。
作品に描かれたイメージは賢治の心象風景が投影されている。この本はその心象風景の原風景となったであろう北国の風景と、賢治の心象に映った風景とを詳細にたどった名著である。この本のガイドによって、作品の深い多様な解釈が可能になり目からウロコの発見が多くある。
『銀河鉄道の夜』は読書感想文の課題図書としては定番であるが、「賢治が伝えたかったメッセージ」とは何だったのか?を考える上で必携の書です。
※出版社・書籍サイト
青土社:『銀河鉄道の夜』フィールド・ノート
シリーズ「新しい太陽の書」 ジーン・ウルフ/著 早川書房 1986年~
《川村茂樹》
剣と魔法と科学とが、それぞれを主役として群舞を踊る華麗な物語。しかもその絵画のような空間には、どこひとつ取ってもデッサンの狂いがない、稀有な物語です。
生まれた瞬間にクラシックと称されたこの小説は、SFを読むということの多様な価値を教えてくれる作品だと思います。
言葉には幾通りもの意味がありますが、そういう言葉を何度も何度も読み直すことで、読書するということが学ぶことに他ならないことも教えてくれる物語です。
むしろ、センス・オブ・ワンダーの何たるかを知るためには、最適な“入門書”とさえ言えるのではないでしょうか?
SF小説を毛嫌いされる人もいるかもしれませんけれど、良質な読書のためには、ジャンルに拘ることは、とってももったいないことだと思いますよ。
※現在本書は刊行されておりません「有料宅配貸出」も行っている千葉市図書館では初版・新装版2008~とも所蔵有ですが
出版社サイト『ハヤカワ・オンライン』によると同じ作者の最新刊が発売中です
書架の探偵 | ハヤカワ・オンライン